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2012年1月11日 (水)

消えゆくものへの愛惜

山田洋次監督が選んだ日本の名作100本関連の番組をNHK BSでよく見ます。
先日は
ハイビジョン特集  山田洋次 50年の時が過ぎて
前編「夢を追った時代からバブル崩壊まで」

という番組を見ました。

その中で、自分の考え方を自覚させられました。

小さな舟に石をいっぱい積んで行って
海中に沈める仕事をしていた夫婦を描いた映画がありました。

その仕事はもはや、
大きな船で機械を使って大規模に行う企業にとられてしまって
風前の灯である、という設定でした。

なぜ、おれたちは消えていかなくちゃならないんだ、という
小さくて地道で黙って生きる人々の悔しさに共鳴するんですね。

あまりにも小さい舟、
その舟を90度になるまで傾けて石を海にザザーッと落とす仕事。

そのあまりに原始的と見える仕事の形態が、残っている時代は、
危険と背中合わせだとは知りつつも、
汗を流して労働に従事してわずかな稼ぎを得ていた。

わずかな稼ぎでも生活が成り立っていた時代だった。
多くの人がそうやって暮らしていた。
小さな舟でする地道な労働が
もはや成り立たなくなる時代って
労働は楽になったけど、いろんなものを失った。

「消えてゆく運命にあるものへの愛惜」

を描いた文学や映画に心を揺さぶられます。

自分が好きだと思う文学や映画に共通するのは、
ひとつにはこのテーマだということを自覚しました。

「風前の灯」であるもの、

つまり、滅びゆくもの・人・職業・考え方

そういうものに、無条件に愛惜を感じて、

涙が滂沱と流れてくるんですね。

井伏鱒二、久保田万太郎といった人たちの作品にも
それらがたくさん描かれています。
魅力のひとつはそこらへんにあったんだな、と
遅ればせながら気づきました。

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